不動産投資において、空き家の活用は注目される分野の一つです。空き家の数が増加する中、安価な物件を購入してリノベーションを施し、賃貸や売却することで収益を得る「空き家投資」が人気を集めています。本ブログでは、空き家投資ブームの背景からメリット・デメリット、成功のためのポイントまで、空き家投資に関する様々な側面をご紹介します。
目次
1. 空き家投資ブームの背景
空き家投資が注目される理由は、少ない初期投資と空き家問題の増加など複数の要素によるものです。
少ない初期投資で始められる
空き家投資は、比較的少額の初期投資で始めることができます。都心のマンション購入には通常1,000万円以上かかりますが、空き家投資では200万円ほどで物件を購入することができます。中には500万円以下で購入できる物件もあります。初期投資が低いため、現金だけで投資を始めることができ、借金のリスクもありません。
空き家問題の増加
近年、空き家問題は深刻化しています。国内の1世帯あたりの住宅数は1.16戸であり、850万戸もの空き家が存在しています（平成30年住宅・土地統計調査）。高齢単身者や外国人、家賃滞納者などがアパートなどに入居することが困難になっています。自治体もこの問題に取り組み、投資家の支援や工務店や不動産会社との連携によって空き家問題を解決しようとしています。
メディアの注目
空き家投資はメディアでも注目を浴びています。NHKの「クローズアップ現代」やテレビ東京の「ガイアの夜明け」などの番組で特集され、空き家投資に関する情報が広まっています。また、空き家投資ツアーなども開催され、多くの人々が興味を持つようになっています。
以上が、空き家投資ブームの背景となる要素です。少ない初期投資や空き家問題の増加、メディアの注目が組み合わさり、空き家投資が人気を集めているのです。次のセクションでは、空き家投資のメリットについて詳しく見ていきます。
2. 空き家投資のメリット
空き家投資には他の不動産投資と比べて以下のような利点があります。
初期費用が少ない
通常の不動産投資では数千万円以上の初期費用が必要ですが、空き家投資は比較的低コストで始めることができます。数百万円の現金投資であり、リスクも小さく、初心者にも取り組みやすいです。
高い利回り
空き家投資は他の不動産投資と比べて利回りが高い特徴があります。一般的な物件の利回りは3％～7%程度ですが、空き家投資では10％以上の利回りを期待できます。これは物件価格が低いためです。例えば、300万円の空き家を購入し、リフォームに200万円かけて月々6万円で貸し出した場合、利回りは約14％になります。
節税効果
空き家投資では、中古建物のリフォーム費用が法定耐用年数の約5分の1程度で減価償却できます。これにより、キャッシュフローが黒字でも不動産所得が赤字になる場合があります。しかし、メインの給与収入と不動産所得を損益通算すれば、所得税を減らすことができるかもしれません。
空き家投資は初期費用が少なく、高い利回りが期待できるので、投資家にとって魅力的な選択肢です。ただし、デメリットや注意点もあるため、事前の調査や計画が重要です。
3. デメリットと失敗事例
空き家投資にはメリットがありますが、同時にデメリットや失敗事例も存在します。ここでは、空き家投資のデメリットと失敗事例について詳しく説明します。
デメリット: リフォーム・修繕に費用がかかる
空き家をリフォームする際には、初期費用以上に多額の費用がかかります。予想外の問題や劣化が見つかると、初期費用が予想以上に膨らむこともあります。また、維持管理の際にもトラブルが発生すれば、大きな修繕費用がかかる可能性があります。
デメリット: 土地の担保価値・評価が低い
数百万円で購入できるような空き家は、都市計画の制限などによりその他の用途には使えず、土地価値が低い場合があります。土地価値が低くなると、金融機関からの担保評価も低くなるため、売却が困難になる可能性があります。そのため、土地価値が低く売却できなければ、初期費用を回収できないリスクが高まります。
デメリット: 空室リスクが高い
空き家投資では、一軒を一世帯に貸し出すことが一般的であり、賃貸需要の流動性が低いため、空室リスクが高くなります。特に単身者向けの物件と比較すると、賃貸需要の流動性が低くなる傾向があります。空室リスクを分散させるためには、複数の物件を所有する必要がありますが、そのためには追加の初期費用や維持管理費用がかかるため、デメリットとなります。
失敗事例も具体的に見てみましょう。
失敗事例1: リフォーム費用が過剰にかかった
空き家を安価に購入しても、リフォーム費用が過剰にかかると利回りが低下します。リフォームには自分の好みやこだわりを反映させることができますが、無制限に費用をかけると結果的にトータルの投資額が増えるため、冷静な判断が重要です。リフォーム費用を抑えながら、入居者が快適に過ごせる改修を行うことがポイントです。
失敗事例2: ホームインスペクションを怠った結果、予想外の出費が発生
ホームインスペクションは、住宅診断士が行う住宅の診断です。買主が気づきにくい部分や構造部分の劣化や不具合をチェックします。目視では気づきにくい問題が見つかることもあり、大規模な修繕が必要になった場合、リフォーム費用が増えることがあります。初心者が空き家投資を行う際には、ホームインスペクションをきちんと実施することが重要です。
失敗事例3: 入居者が見つからない
立地条件が悪い場所や生活利便施設や学校から遠い場所にある空き家は、賃貸や売却する需要が少なくなります。特に戸建ての空き家は、家族が入居し長く住むことが多いですが、入居者を見つけることが難しい場合もあります。そのため、自ら広告手段を工夫し、空室リスクを最小限に抑える努力が必要です。
失敗事例4: 出口戦略が不明確
空き家は築40年から50年以上の物件が一般的であり、長期的な賃貸やリフォームではなく、土地の価値として売却することが考えられます。特に再建築が難しい物件では売却が困難になるため、出口戦略を明確にすることは重要です。
空き家投資にはデメリットや失敗事例がありますが、それを克服するためには慎重な物件選びやリスク管理が必要です。次のセクションでは、空き家投資を成功させるためのポイントについて紹介します。
4. 成功する3つのポイント
不動産投資で成功するためには、いくつかのポイントがあります。以下では、成功するための主要な3つのポイントを紹介します。
需要があるのかを調査する
まずは、投資する地域において需要があるのかを調査することが重要です。空き家の多くは賃貸需要が低い地域に存在しており、需要がなければ入居者が見つからず収益を得ることができません。物件を選ぶ際には、不動産会社に地域の需要を確認することが必要です。
収支シミュレーションを行う
次に、投資する前に収支シミュレーションを行うことが重要です。特にリフォームが必要な空き家の場合には、「購入費用＋リフォーム費用」を初期費用として計算し、収益性を考慮する必要があります。不動産会社に需要を確認する際には、同時に家賃相場を調査し、利回りや年間手残りをシミュレーションすることができます。ただし、無理に家賃を上げたり、入居率を100％で計算するのは危険ですので注意が必要です。
専門業者へ相談する
不動産投資初心者の場合は、空き家投資をする前に専門業者である不動産会社に相談することをおすすめします。経験豊富な不動産会社は、専門家目線で物件を判断し、リフォーム箇所やリスク、運営方法などについてアドバイスしてくれます。独学での投資はリスクが高いため、正しい物件への投資をしたい場合には、専門家に相談することが重要です。
以上が成功するための主要な3つのポイントです。需要の調査や収支シミュレーション、専門業者への相談をしながら、慎重に投資を進めることが重要です。成功する不動産投資を目指し、これらのポイントを意識して取り組みましょう。
5. 多様化するライフスタイルに合わせた投資
現代の社会では、働き方や暮らし方がますます多様化しています。これに伴い、投資スタイルも自分自身のライフスタイルに合わせて柔軟に変えていくことが求められています。不動産投資も例外ではありません。
選択肢の増加と個別のニーズへの対応
昨今のテレワークの普及や地方移住の増加など、働き方や住まい方における個別のニーズが増えています。これにより、不動産投資においても選択肢が増え、さまざまなニーズに対応できる投資方法が存在します。
1. 賃貸住宅の需要の高まり
テレワークの普及により、都市部への通勤時間が不要となったり、地方移住を希望する人が増えたりしています。そのため、賃貸住宅の需要が高まっています。空き家を賃貸物件として活用することで、地域の需要に合わせた投資が可能です。
2. 民泊や貸別荘への需要の増加
観光地や温泉地などでの滞在型のニーズが高まっています。民泊や貸別荘として空き家を活用することで、一時的な滞在ニーズに応えることができます。また、コインランドリー投資など、特定の業種に特化したビジネスへの活用も考えられます。
3. 自己宅としての利用
一部の人々は、将来の自己宅として空き家を購入することを検討しています。特に地方移住や費用対効果の面で魅力的な物件であれば、自己宅としての利用も視野に入れることができます。
ライフスタイルに合わせた投資の重要性
投資は自身のライフスタイルに合わせて行うべきものです。そのためには、まず投資方法や物件選びにおいて自身のニーズを明確化し、それに合わせた計画を立てることが重要です。
また、自己のニーズを満たすためには、不動産市場の動向や地域の需要についても十分に調査する必要があります。これにより、ニーズに合わせた投資が可能になります。
さらに、将来のライフスタイルの変化にも柔軟に対応できるように、投資家自身が自己成長し続けることも重要です。投資の知識や経験を増やすことで、より良い投資判断ができるようになります。
したがって、不動産投資においては、多様化するライフスタイルに合わせた柔軟な投資方法や物件選びが求められます。自身のニーズや将来のビジョンを考慮しながら、最適な投資方法を選択することが成功の鍵となります。
まとめ
空き家投資は初期投資が少なく、高い利回りが期待できる魅力的な選択肢ですが、リフォームや修繕費用、空室リスクなどのデメリットにも注意が必要です。成功するためには、地域の需要調査、収支シミュレーション、専門家への相談といったポイントを意識し、慎重に取り組むことが重要です。また、多様化するライフスタイルに合わせて、賃貸住宅や民泊、自己宅として空き家を活用するなど、柔軟な投資アプローチを選択することが成功への鍵となります。空き家投資を検討する際は、自身のニーズや将来のビジョンを明確にし、最適な投資方法を選択しましょう。
よくある質問
空き家投資に必要な初期費用はどのくらいですか?
空き家投資は比較的少額の初期投資で始められます。都心のマンションと異なり、200万円ほどの費用で物件を購入できる場合が多いです。中には500万円以下の物件もあるため、現金での投資が可能で、借金のリスクも低いのが特徴です。
空き家投資の利回りはどの程度期待できますか?
空き家投資の利回りは他の不動産投資と比べて高く、10%以上が期待できます。これは物件価格が低いためです。例えば300万円の物件を購入し、200万円のリフォームを行い、月6万円で貸し出した場合、利回りは約14%になります。
空き家投資にはどのようなデメリットがありますか?
空き家投資のデメリットとしては、リフォームや修繕に思わぬ費用がかかる点、土地の担保価値や評価が低い点、空室リスクが高い点などが挙げられます。これらのリスクを最小限に抑えるためには、慎重な物件選びやリスク管理が重要です。
空き家投資を成功させるためのポイントは何ですか?
空き家投資を成功させるためのポイントは、需要調査、収支シミュレーション、専門家への相談の3つです。需要がある物件を見極め、収支を慎重に検討し、不動産会社などの専門家に相談することで、適切な判断ができるようになります。