不動産投資は資産形成の有力な手段として注目を集めています。しかし近年、金融機関の不正融資問題や規制強化により、投資家にとって融資を得ることが難しくなってきました。本ブログでは、不動産投資融資が厳しくなった理由、投資における融資のメリット、融資を受けるための条件、申請手順などについて詳しく解説します。不動産投資に興味がある方は、ぜひこのブログをご覧ください。
目次
1. 不動産投資融資が厳しくなった理由
不動産投資融資が厳しくなったのは、主に以下の理由があります。
1.1 銀行の不正融資問題と建築会社の偽装建築問題
近年、銀行の不正融資問題や建築会社の偽装建築問題が明るみに出ました。これにより、金融庁は不動産投資の融資について厳しい監視体制を敷くようになりました。銀行の信用が損なわれたことから、融資審査が厳格化されたのです。
1.2 新型コロナウイルスの影響
新型コロナウイルスの影響により、銀行業務にも大きな影響が出ました。銀行も感染防止対策として入店人数の制限や業務縮小を余儀なくされ、融資審査や手続きに時間がかかるようになりました。このため、融資審査がより厳密になり、融資の取得が難しくなったのです。
1.3 金融庁の規制強化
相続税基礎控除額の引き下げに伴い、不動産投資が増加し、物件の空室リスクや不良債権の増加が懸念されました。そのため、金融庁は融資の規制を厳しくするよう指導し、金融機関も審査基準をより厳格化しました。
これらの要因により、不動産投資融資は厳しさを増しています。しかし、競合が減少し、高利回りの物件を見つけるチャンスも増えている面もあります。融資を受けるためには審査基準を理解し、条件に合った物件を選ぶことが重要です。融資が厳しくなった状況においても、今後の金融機関の動向を注視し、不動産投資を継続する意欲が高まっています。
2. 不動産投資の融資メリット
不動産投資において融資を受けることは、多くの利点があります。以下では、不動産投資の融資を活用することのメリットについて詳しく説明します。
2.1 スピーディーな投資スタートが可能
融資を利用することで、魅力的な物件が見つかった場合にすぐに購入することができます。自己資金を貯めるのに時間がかかる場合、投資までに数年から十数年かかることもありますが、融資を活用することで時間を短縮し、損失のないチャンスを確保することができます。
2.2 レバレッジ効果を享受できる
融資を利用することで、通常手の届かない高額な物件を購入することができます。自己資金500万円で融資4,500万円を受けることで、総額5,000万円の物件を手に入れることができます。融資を活用することで、投資の規模を拡大し、より多くの利益を得ることができます。
2.3 家賃収入によるローン返済が可能
不動産投資では、購入した物件の家賃収入でローンの返済ができます。入居者に魅力的な部屋を提供することで入居率を高め、ローンの返済だけでなく差額のキャッシュフローも得ることができます。この点は住宅ローンと異なり、投資物件の家賃が返済元であるため可能となります。
2.4 団体信用生命保険に加入できる
不動産投資では、団体信用生命保険に加入できます。借入金の返済を保険金で賄うことで、万が一の場合でも借入金の負担がありません。個人で物件を購入する場合と比べ、不動産投資のリスクを軽減させることができます。
2.5 経営者としての実績につながる
満室経営を続け、良い結果を残すことで、金融機関からの評価を得ることができます。これにより、将来的な規模拡大時にも融資を受けやすくなります。適切な管理と魅力的な環境を提供することで、ローン返済だけでなく差額のキャッシュフローを得ることも可能です。
不動産投資の融資を利用することには、上述のような様々なメリットがあります。融資を活用することで少ない自己資金で投資を始めることができ、高額な物件にも挑戦できるようになります。ただし、融資を受けるためには与信などの基準をクリアする必要があるため、事前の準備が重要です。
3. 不動産投資の融資を受けるための条件
不動産投資の融資を受けるには、いくつかの条件を満たす必要があります。以下に、融資を受けるための主な条件をまとめました。
i) 不動産賃貸業への取り組み
不動産投資を目的に融資を受けることは難しいですが、不動産賃貸業に取り組んでいれば融資の対象となります。不動産賃貸業は国民生活に寄与する事業として扱われるため、融資の対象となるのです。
ii) 物件の担保提供
日本政策金融公庫の融資は無担保の場合には上限が2,000万円となります。もし目的の物件の購入価格が2,000万円を超える場合、物件自体を担保にする必要があります。または、他に所有している物件を担保にすることもできます。
iii) 税金や公共料金の正確な支払い
日本政策金融公庫は政府による金融機関であり、税金や公共料金の滞納がある場合、融資審査に通ることは難しいです。必ず滞納している税金や公共料金を支払っておくようにしましょう。
以上が、不動産投資の融資を受けるための主な条件です。融資を受ける際には、これらの条件を満たすことが求められます。必要な資料や手続きについては、金融機関に直接確認することをおすすめします。
4. 不動産投資融資申請の手順
不動産投資の融資申請手続きは以下の手順で行われます。個別の金融機関によって異なる可能性もあるので、具体的な手続きについては各金融機関の指示に従うようにしてください。
1) 融資申請の準備
不動産投資の融資申請に必要な書類を準備しましょう。以下は一般的に必要な書類の一部ですが、金融機関によって異なる要件があるので、確認しましょう。
- 物件概要書とレントロール
- 身分証明書(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 収入証明(源泉徴収票、確定申告書など)
- 印鑑登録証明書
- 住民票
- 資産証明書類
- 既存の借入に関する情報
- 物件に関する書類(公図、地積測量図、売買契約書、重要事項説明書など)
これらの書類を事前に準備しておくことで、スムーズに融資申請を進めることができます。
2) 融資審査の申し込み
準備が整ったら、金融機関に融資審査の申し込みをします。アポイントメントを取り、窓口で申し込み手続きを行うことがおすすめです。
審査申し込み時には、提出した書類をもとに担当者が聞き取りを行い、事前審査を行います。審査結果は通常数日から数週間かかることが多いため、辛抱強く待つ必要があります。
3) 本審査の申し込み
事前審査に通過したら、不動産の売買契約を結びます。その後、金融機関に本審査の申し込みを行います。本審査では、借入者の信用力や物件の収益性などが詳細に審査されます。
本審査の結果は通常数週間から1か月程度かかることが一般的です。審査の進捗状況は金融機関に問い合わせることで把握することができます。
4) 融資審査の結果通知
本審査の結果は、金融機関からの通知によって確認することができます。通常は2週間から1か月程度で通知が届くことが多いです。通過した場合には、融資上限額や金利などの条件が提示されます。
5) 契約手続き
融資審査が通ったら、金銭消費貸借契約を締結します。この際、団体信用生命保険の加入や抵当権の設定などの手続きが行われることもあります。
契約が完了したら、融資金が銀行口座に振り込まれ、不動産の引き渡し日に融資が実行されます。
以上が一般的な不動産投資融資申請の手順です。手続きの際には、各金融機関の指示や要件に従うようにしましょう。また、必要な書類を事前に準備しておくことで、スムーズな申請が可能になります。
5. 融資を受けるためのポイント
不動産投資の融資を受けるためには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。以下に融資を受けるためのポイントを紹介します。
5.1 属性を高める
融資審査では、借り手の属性が重視されます。自身の属性を高めるためには、以下の方法を試すことが重要です。
- 十分な勤続年数を積み重ねる
- 他の借入額を減らす
- 自己資金を増やす
これにより、金融機関からの信用性が向上し、融資を受けやすくなります。特に会社経営者の場合、自身の会社を通じて不動産投資を行うことも有益です。
5.2 信頼される対応を心掛ける
融資審査では、事業計画の提出が求められます。提出する計画書には、予想収益・経費、ローン返済計画、キャッシュフローのシミュレーションなど、正確かつ現実的な数値が必要です。
具体的なデータや適切な数値を使用した計画書を提出することで、金融機関からの信用度が向上します。不動産投資は賃貸業でもあり、事業の経営者としての資質も問われます。
5.3 収益性の高い物件を選ぶ
不動産投資を成功させるためには、収益が見込める条件の良い物件を選ぶことが重要です。ただし、評価が高い物件は通常、購入価格も高くなります。
自身の属性、年収、自己資金を考慮しながら、適切な価格の物件を選ぶ必要があります。
5.4 信頼できる不動産会社と提携する
不動産投資を成功させるためには、信頼できる不動産会社との提携が重要です。特に、提携している金融機関が多く、融資までのサポートを提供してくれる不動産会社を選びましょう。
不動産会社の規模や提供するサービス、金融機関の紹介など、さまざまな面でのサポートが重要です。
これらのポイントを押さえながら、融資を獲得するために努力しましょう。金融機関の審査基準を理解し、自身の属性を高めることで融資の可能性を高めることができます。
まとめ
不動産投資融資が厳しくなった背景には、金融機関の不正融資問題や新型コロナの影響、金融庁の規制強化などさまざまな要因があります。しかし、このような環境下においても、融資を活用すれば少ない自己資金で投資を始められるメリットがあります。融資を受けるためには、不動産賃貸業への取り組み、担保の提供、税金等の滞納がないことなどの条件を満たす必要があります。また、属性の向上、信頼される対応、収益性の高い物件の選定、信頼できる不動産会社との提携など、融資獲得に向けて自身の努力も欠かせません。不動産投資を成功させるには、これらのポイントを押さえながら、慎重に取り組むことが重要です。
よくある質問
不動産投資融資が厳しくなった理由は何ですか?
不動産投資融資が厳しくなった主な理由は、銀行の不正融資問題や建築会社の偽装建築問題の発覚、新型コロナウイルスの影響による融資手続きの遅延、金融庁による融資規制の強化などが挙げられます。これらの要因により、金融機関の審査基準がより厳格化されたことで、不動産投資への融資が難しくなったのです。
不動産投資の融資にはどのようなメリットがありますか?
不動産投資の融資には、スピーディーな投資開始、レバレッジ効果の活用、家賃収入によるローン返済、団体信用生命保険の加入、経営実績の獲得など、多くのメリットがあります。これらのメリットを活用することで、少ない自己資金で高額な物件を購入し、効果的な投資を行うことができます。
不動産投資の融資を受けるための条件は何ですか?
不動産投資の融資を受けるための主な条件は、不動産賃貸業への取り組み、物件の担保提供、税金や公共料金の正確な支払いなどが挙げられます。これらの条件を満たすことで、金融機関から融資を受けやすくなります。
不動産投資の融資申請の手順は何ですか?
不動産投資の融資申請の手順は、融資申請の準備、融資審査の申し込み、本審査の申し込み、融資審査の結果通知、契約手続きの順で行われます。必要書類の準備や金融機関の指示に従って、スムーズな申請を心がける必要があります。