公務員の方は、社会への貢献を目指す一方で、収入面での不安を感じている方も多いかもしれません。そこで、収入を増やし、自己実現の機会を得るための副業に注目が集まっています。公務員の副業については、一定の規制はありますが、最近では規制の緩和も進んでいます。本ブログでは、公務員の副業について、その理由や条件、解禁の経緯とおすすめの副業、注意点などを詳しく解説していきます。
目次
1. 公務員の副業が原則NGとされている理由
公務員の副業が原則的に禁止されている理由は、法律面だけでなく、公務員の使命や責任に関連する制約も存在します。
1.1 信用失墜行為の禁止
公務員は国家や国民のために奉仕することを使命としており、その信用を失墜させるような行為は禁止されます。例えば、公務員が副業で信用されないような行動を取ると、公務員全体の信頼性が損なわれるおそれがあります。
1.2 守秘義務
公務員は職務上で知り得た秘密情報を他者に漏らすことは許されません。このため、副業先で公務員の業務で得た情報を利用することも禁止されています。守秘義務の厳格な遵守が求められるため、副業によって情報漏洩のリスクが高まることから、公務員の副業は制限されているのです。
1.3 職務専念義務
公務員は本職に専念することが求められています。職務と副業の両立によって、公務員の本職に支障が出る可能性があるため、職務専念義務が課せられています。このため、副業によって公務員の職務が妨げられる可能性がある場合は、原則として副業は許可されません。
1.4 営利目的での務めまたは私企業の経営の禁止
国家公務員法と地方公務員法において、営利を目的とする私企業の経営や兼職が禁止されています。公務員は国家や国民のために奉仕する立場にあるため、私企業で報酬を得る行為は慎む必要があります。また、公務員には他の事業または事務に関与する制限もあります。これらの規制により、公務員の副業は原則禁止されているのです。
1.5 総括
公務員の副業が原則禁止されている理由は、信用失墜行為の禁止や守秘義務、職務専念義務など、公務員の使命や責任に関連する制約が存在するためです。公務員は国家や国民のために働く「奉仕者」としての使命を担っており、その職務に対する責任を果たすために副業は制約されています。
2. 公務員の副業に必要な3つの条件
公務員が副業をするためには、以下の3つの条件を守る必要があります。
1. 信用失墜行為の禁止
公務員は国や国民に奉仕する使命を持っていますので、公務員の信用を損なうような行動は絶対にしてはいけません。副業においても、公務員の信用を毀損するような行為は厳禁です。
2. 守秘義務
公務員は職務上の情報を秘密にする義務があります。副業でも、公務員が知り得た機密情報や業務上の秘密を漏らすことは許されません。したがって、副業を行う場合でも、守秘義務を守ることが絶対必要です。
3. 職務専念義務
公務員は公務を全力で遂行することが求められます。副業でも、本業の遂行に支障をきたさないように注意する必要があります。公務員の副業は、本業の邪魔になってはいけません。
これらの3つの条件を守ることで、公務員は副業を行うことができます。ただし、副業は営利目的ではなく、社会奉仕につながるものである必要があります。また、職場や上司の許可が必要な副業もありますので、注意が必要です。公務員の副業を行う際には、必ずこの3つの条件を守るよう心掛けましょう。
3. 公務員の副業が解禁された経緯と自治体の事例
公務員の副業解禁は、近年の働き方改革の推進と地域の発展への公務員の貢献を考慮して進んでいます。以下では、公務員の副業解禁が進んでいる自治体の事例を紹介します。
神戸市の副業解禁
神戸市では、市の職員が地域の問題解決に貢献するために副業を行うことを解禁しています。この取り組みは、市職員が持つ知識や経験を活用し、地域の問題解決を促進することを目的としています。もしその活動が地域の発展と社会貢献に繋がるものであれば、神戸市内外での活動が認められます。
長野県・福井県・奈良県生駒市・宮崎県新富町の副業解禁
長野県では、「地域に飛び出せ!社会貢献職員応援制度」が導入され、職員の有償の副業を認めています。この制度により、地域の職員はさまざまな副業に取り組んでいます。同様に、福井県や奈良県の生駒市、宮崎県の新富町でも副業が奨励されています。
山形県新庄市の商業活性化支援
山形県新庄市では、公務員が地元の商店街活性化のために副業を行うことが認められています。この事例では、公務員が地元のNPO法人の理事長として商店街の活性化活動に従事しています。報酬は月に3万円程度であり、公益的な副業として評価されています。
これらの事例からわかるように、公務員の副業解禁は自治体によって進んでいますが、まだ一般的な措置ではありません。しかし、政府が公益的な活動に限って副業を認める方針を打ち出したことから、今後も公務員の副業解禁は進展すると予想されます。
まとめ:公務員の副業解禁は近年進んでいますが、地方自治体ではまだ一般的ではありません。一部の自治体では公益的活動に限って副業が認められ、地域の発展や社会貢献に繋がる活動に取り組むことができます。公務員の副業解禁は、公務員の収入不満を抱える人材流出を防ぐためや地域の問題解決のために推進されています。
4. 公務員におすすめの副業と注意点
公務員の方には副業の選択肢がありますが、注意が必要です。以下では、公務員におすすめの副業とその注意点をご紹介いたします。
4.1 株やFX
株式投資やFXは、公務員の副業として利用できます。資産形成や投資方法としても人気があり、税制優遇制度も存在します(NISAやiDeCoなど)。ただし、公務員の職種によっては、一般企業の企業秘密に触れることがあるため、注意が必要です。企業秘密を知ったうえで投資を行うことは、インサイダー取引になる可能性があるため、適切な管理が求められます。
4.2 不動産投資
不動産投資は、公務員の副業としておすすめです。信用力が高いため、銀行からの融資が利用しやすく、物件の管理も外部に委託できます。ただし、特定の条件を満たす必要があります。例えば、賃貸収入や投資規模に上限があります。また、利益や規模が一定の基準を超える場合、上司に相談する必要があります。
4.3 アンケートモニター
アンケートモニターは、公務員の副業規定に抵触せず、上長の許可も不要です。昼休みや通勤時間などのスキマ時間に取り組むことができ、人気があります。ただし、年間収入が一定額を超える場合は確定申告が必要です。
4.4 ポイ活
ポイ活は、副業ではなく節約の範囲内とされており、公務員でも許可なく取り組むことができます。ただし、一定額の収入を得る場合は、営利目的と判断される可能性があります。また、公務員の三大原則に従う必要があります。
4.5 小規模農業
公務員が自給目的で行う小規模な農業は、許可なしで取り組むことができます。しかし、他人や店に作物を販売する場合は営利目的となり、副業に該当します。自給的農家として農業を行う際は、公務員の三大原則を守るようにしましょう。
公務員の副業には以下の3つの条件が必要ですので、注意しましょう。
- 本業に支障が出ないこと
- 職務や地位を利用して利益を得ないこと
- 上司や職場の許可が必要な場合は取得すること
どの副業を選ぶにせよ、上記の条件を満たし、公務員の三大原則を守ることが重要です。また、副業によっては確定申告や税金の計算が必要な場合もあるため、適切な処理を行いましょう。
5. 国家公務員の副業における確定申告と規則の遵守
国家公務員が副業を行う場合、確定申告が必要な場合があります。確定申告の対象となる条件は下記の通りです。
- 副業収入が年間20万円以上の場合
- 本業の給与年収が2,000万円以上の場合
- 不動産所得や株・投資信託・FXなどの投資活動で譲渡益が38万円以上の場合
- 110万円以上の贈与を受けた場合
- ギャンブル・懸賞金が一定額を超えた場合
これらの条件に該当する場合は、確定申告をする必要があります。
確定申告をする際には以下の点に注意する必要があります。
収入の入力
副業の売上や経費を正確に入力しましょう。クラウド確定申告サービスなどを活用すると、収入や経費の管理が簡単にできます。
申告書の作成
詳細な副業収入の情報を申告書に記入しましょう。収入の種類や金額、支出や経費の明細などを正確に記載することが重要です。
申告作業の実施
申告作業には納期があるため、早めに手続きを行いましょう。特に国家公務員の場合は、ルールに則った適切な申告が求められます。
規則の遵守
公務員は副業を行う際には、国家公務員法や地方公務員法に示された規則を順守する必要があります。本業に支障をきたさない副業を選び、法律や規定に従って申告手続きを行いましょう。
国家公務員が副業を行う場合は、確定申告や規則の遵守を適切に行うことが重要です。適切な報告や申告手続きを怠らず、法律や規定を順守することによって、副業活動を円滑に進めることができます。公務員としての信用を守りながら、副業活動を行いましょう。
まとめ
公務員の副業は、法律上や職責上の制限があるものの、自治体によっては一定の条件の下で認められつつあります。神戸市や長野県などの事例が示すように、地域の問題解決や社会貢献につながる場合に副業が許可される傾向にあります。公務員の方は株式投資や不動産投資、アンケートモニター、ポイ活など、様々な選択肢がありますが、本業への影響がない範囲で、確定申告や規則の遵守に留意しながら、適切に副業に取り組むことが重要です。公務員の収入と生活の質の向上、そして地域の発展につながる取り組みが期待されています。
よくある質問
公務員の副業が原則NGとされている理由は何ですか?
公務員は国家や国民に奉仕する使命を持っているため、副業によって公務員としての信用を失墜させるおそれがあります。また、職務上知り得た秘密情報を他に漏らしたり、本業の遂行に支障をきたすことが懸念されるため、原則的に副業は禁止されています。
公務員が副業をするための3つの条件とはどのようなものですか?
公務員の副業には次の3つの条件が必要です。1.公務員としての信用を失墜させないこと、2.職務上の秘密を漏らさないこと、3.本業の遂行に支障をきたさないこと。これらの条件を満たさなければ、公務員の副業は認められません。
公務員の副業解禁はどのように進んでいますか?
近年、地方自治体を中心に、公務員の副業解禁が進んでいます。神戸市や長野県、福井県などでは、公益的な活動に限って副業を認めています。これは地域の問題解決や活性化に公務員の知識や経験を活かすためです。一方、まだ一般的な措置ではなく、今後の更なる拡大が期待されています。
公務員におすすめの副業と注意点は何ですか?
株式投資やFX、不動産投資、アンケートモニターなどが公務員の副業として適しています。ただし、本業への支障や職務上の秘密漏洩には十分注意が必要です。また、一定額以上の収入がある場合は確定申告の義務があるため、関連法規の遵守も重要です。